どの業界でもIT化の推進がなされていますが、介護サービスの現場でも同じです。むしろ、介護業界では他の業界よりもニーズが高いといえます。というのも、日本では高齢化と少子化が進んでおり、介護サービスを行う人材が不足しているからです。その点で、IT化を図る事によって、少ない人員でも質を落とす事なく介護サービスを提供できるのでメリットが大きいのです。また、現場に携わるスタッフの負担を軽減し離職を防いだり、よりやりがいを持って働いたりするのにも役立ちます。介護施設では職員同士での情報の共有や、手続き上の事務作業がとても多いです。ケアにより時間を費やしたいと思っても、事務作業に多くの労力と時間を取られてしまうのが現状なのです。その点、情報共有や事務処理を自動化、IT化する事によってぐっと作業量が減っていくわけです。

IT化によって、より質の高い介護サービス提供ができるという点もあります。たとえば、利用者の動きをAIなどで検知するシステムを設ける事で、個室における利用者の転倒や体調急変などにより速く気付けるようになります。また、認知症患者の方の徘徊や、施設からの抜け出しなどを防止しやすくなるというメリットもあります。こうしたシステムの活用は、職員だけでなく利用者の安全にもつながるため、ニーズの高い分野といえるでしょう。そして、利用者のご家族にとってもニーズがあります。直接施設を訪問できない場合でも、テレビ電話などを使って会話をしたり、コミュニケーションツールで施設との情報共有や連絡などを取ったりしやすくなるからです。